選択肢を持つと深くなる

先日、ある企業様との数回のチームコーチングの中で、考えさせられた事がありました。
それは、「選択肢」と「内容の深度」の関係性です。

その企業様は、変化が小さい業界と言われています。
それだけに、「旧態然としているから、変化を起こしていきたい」と言うことで、関わらせて頂きました。

そう仰っている経営層は凄く勉強をされていて、必要あるのかなあ?と思いつつ、伺い始めました。

けれども、なるほど!確かに変化が起きづらいんだなと思いました。
要素については、結果的に沢山見つかる事になったのですが、最初は「問題は一つ」「回答も一つ」という状態なのです。

それが悪いわけではありません。
けれども、「あれはどうなの?」「これは?」「そこでいいの?」などの議論が全くないのです。
一人が「これだ!」と言うと、「ああ、そうだろうね。じゃあ、どうしようか」となってしまって、全員が考えているようにも思えず、いつも新しいことを学び、取り入れる経営層の考えるままに動くような感じ。

「他に選択肢はどのようなものがありますか。」
「本当にそれで良いですか?」
と言うと、長い沈黙が続くのです。

慣れてないからだけだろうと、根気よく沈黙を待ってみたり、まずはポストイットに書いてから出してみたり、と一人ひとりが考えて、「考えを揉む」時間を作るようにセットしてみました。

すると、2ヶ月後には、少しずつ考えが出てくるようになり、検討する材料が揃うようになってきました。

一番驚いていたのは、経営者層でした。
「なんだ!そんな事考えていたの?いいじゃん、やろうよ!」
「何も考えてないかと思ってしまっていたが、色々考えているじゃない。」
「あれ?私が学ぶより、皆が学んだ方が良いものができるんじゃないだろうか。」

柔軟な経営者層だったこともあり、徐々にでしたが、意見が通る体験も経験しはじめ、チームコーチングが機能し始めることになったのは、その後だったように思います。

結局、「それとこれなら、こっちが先の方がいいんじゃないか」などの意見も出るようになり、全員が一つの事に対して、選択肢を持つ事で、深く考えられるようになっていったように思います。

しかも、選択肢なわけですから、「否定される事が減った」と参加者も仰っていました。
凄い変化ですね。

チームでお互いに質問も出るようになり、自分達で変化を起こすことにも柔軟になってきて、業績も上がり始めました。

ある方が「いつ辞めようかと思っていた時期もあった。でも、今は辞めないでも良い会社にするには何が必要かを考えられるようになった」と話してくれました。
これって、凄い変化だと思いませんか。

一人ひとりの考える思考まで変化を与え始めたんだなあと、感動してしまいました。

選択肢は、考える質を高めることにも役に立つだけでなく、参画意識も高めてくれるんだなと感じさせていただきました。

忙しい人ほど、選択肢を意識してみませんか。

コメント

  1. 山本政也 より:

    おはようございます。いつも気づきをありがとうございます。
    今日のブログを見ていて選択肢って大事だなぁと感じました。

    最近、組合でトップダウンで降りてくる案件が多く、執行委員から苦情が出ることが増えていて、更に執行委員から意見が上がってこなくなっています。

    事前に三役だけで話をして決めており、いくら意見を言っても「決まったから」で終わることが原因です。

    意見を出して議論するプロセスには時間がかかりますが、納得性があがります。
    本来は効果の部分にフォーカスしますが、時間がかかる部分を嫌がっているように感じます。

    少しずつ成功体験を得られるようアプローチしてみようと思います。

  2. coachsmile より:

    山本さん
    こちらこそ、実体験をありがとうございます。

    そうなんですよね。効率化VS創造 のような構図になってしまっているように思います。
    結果的に共存できる気がするのですが、最初の頃は厄介な事のように扱われてしまいがちですよね。
    せめて選択肢があった上での選択ができると良いですよね。
    プロセスって大事なんですよねえ。

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