部下が考える基準は何か

数社の企業の若手社員にアンケートをさせていただきました。どんなアンケートだったのかは、さておき、その中で興味深い事がありました。
それは、「部下の考え方」についてです。

部下の考え方の中に、こんな事もあるんだな、と私には無かった視点なので、ビックリしましたが、自由記入欄に、何件も同じような回答があったために、すごく興味深く拝見しました。

それは、「上司に気に入られるためにはどうしたらよいか。」「上司の考え方が解るにはどうしたら良いか。」「上司が求めている答えが言えなくて自信が持てない。」「上司が怖いので、仕事に集中できない。」などでした。

最近では、「部下に考えられる社員になってほしい」と、コーチングや研修を依頼されることがあり、その事前アンケートとして行ったものの結果として見えてきた事でした。
とは言え、26%です。この「上司を見ている」率を高いと思うか、低いと思うのかは、受け取るあなた次第ですが、私としては、こんなにも「上司」を見ているんだなと、ビックリしました。

その人達の一部に、今回は研修で関わる機会をいただきましたので、私の考えの押し付けになるのかもしれませんが、「上司を見るのもいいけれど、仲間やお客様に興味を持たなくてもいいの?」という問いかけをしてみたくなりました。
でも、4人に1人の割合ですから、どれが重要ではなく、どの視点も持っていく必要があるんじゃないのかなと思い、ワークを通じて、模擬体験を沢山していただきました。

最初は、上司の代わりに私(講師)が居るわけで、私が何を求めているのかを聞こうとします。
正しい答えはないです。自分達で考えて見てくださいと言っても、正しい答えが欲しくて、ディスカッションの質も浅く、疑問すら持たない。少し回って突っ込むと、また黙る。という状態です。これは4人に1人の割合よりも多く、4分の3位がそんな状態でした。
けれども、徐々に、どの答えも、違っていれば修正ができると感じてからは、やっと自由に意見が出せるようになりました。
その途端、議論も深くなり、意見や提案もドンドン出てきました。そこから、私が学べる事も沢山ありました。お互いに成長しながら、企業は成長していくんだよ、という言葉がやっと彼らの理解と繋がった瞬間だったように思います。

連日の研修が終了した時には、「もっと仲間に相談しようと思った。」「上司に直接聞いてみようと思った。」「お客様の事を見てなかった事に気づいた。」「上司が見ているのがお客様かと思うから、もっとお客様を見るようにします。」など、仲間やお客様という視点が加わったのですが、『学校教育を終え「先生」が「上司」に変わっただけ。と思っていたけれど、違う事に気づいた。』とは発言があった時に、多くの方々が頷いていたのが、印象的でした。

その後、職場に戻ったら、何をして、そのことをすると、どんな違いが生まれるのかと尋ねると、「お客様をそもそも見てなかったので、お客様が何を考えていらっしゃるか見れるようになる。」「上司と同じように、お客様の事を考えられるようになっていく。」「上司は怖いままですが、お客様には丁寧に接することができるようになると思う。」などと、表情を活き活きさせていらっしゃいました。

まとめますと、部下の基準は、「上司」に向けられていたわけです。というか、その場に居ない人は、まだそういう方が4人に1人は居らっしゃるんですよね。

この結果を知ってみて、あなたが上司だったら、部下にどう接しますか。
部下の本当に思っている事や、純粋な考えを聞き出したい時には、その4人に1人からはどう聞き出したら良いのでしょうか。
知らず知らずに、部下に、自分の考えている答えに誘導していませんか。
本当に多様性や個性を活かしきれていますか。

上司としても、考えていくこともまだまだ沢山ありそうです。
また、こうした考え方を持っている方がいらっしゃることも理解した上で、コーチングや研修も行っていく必要があるんだなと、改めて感じました。

また、相手を知るためのアンケートと言うのは、たまに伺っていく必要があるんだなという事も気づいた私でした。そこには本音を話せる仕組みも必要なのでしょうね。
あなたは、どう思いましたか。

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