頭で覚えるな!身体で覚えろ!

バレーボールをしている頃に、部活動の顧問から言われた言葉。
「頭で覚えるな!身体で覚えろ!」
スポ根系だった私には、何度となく苦しい思いをして、身体で覚えるようになったバレーボールでした。足を痛めてからは、遊び感覚でやっていたバレーボールですが、その時の言葉は、スポーツに限った事ではないと、ふと気づきました。

娘が、算数の文章問題で、どれが正しいのかを四択で選ぶのに、1つずつあっているかどうかを、検証していたんです。
「それはそれで良いけれど、目安の時間内には全然終わらないよね~。せめて二つまで絞れないかなあ。」と言うと、「これか、これ」とあっさり。理由も間違っていない。
「なのに、選択肢を全て計算しているのって、なぜ?」と聞いてみると、「やってみないと解らないじゃん。」

ごもっともな回答でした。

でも、「二つまで絞れたなら、二つで良いんじゃないの?」というと、「そういう手もあるねえ」だそうで、単に真面目なだけでした。

そんな時にふと、顧問の言葉を思い出しました。そして、「この子は、理屈よりも、身体で覚えようとしているんだなあ。」と。

考えてみると、娘はすぐに「解らない」と言って、投げ出します。けど、集中し始めると、ちゃんと出来ます。隣に座っているだけで出来ます。
頭で覚えた事があっているかが不安だから、失敗したくなくて「解らない」と言って、教えてもらおうとしているんですよね。
昨日の続きのようになってしまいますが、失敗から学ぶという事も、結局「身体で覚える」という事なんだなあと、娘とのやりとりをしながら、ふと思いました。

前の職で、研修に行って、得るものが大きく、企業の変革に使えるものがたくさんあり、実際に使ってみると効果があるから、上司にお願いをしました。
「係長以上を順番に、この研修に参加させてあげたいんです。」と。

すると、上司はこんな風に話してくれました。
「知識を学んでも、使う気のない、目的意識も持てない人なら、時間と経費の無駄になる。自分から行きたいと言わない限り、行かせるつもりはない。smilecoachさんが、良いと思うのなら、ドンドン研修で学んだ事を形にしていきなさい。そのための投資なら相談してくれればいい。でも、研修の投資は、活かす気になる人しか行かせない。」と。

経営者に「この本、読んでみろ」と言われても、誰一人読んだ様子もなく、がっかりした経験を何度もされていたそうです。
「頭で覚えても、使ってみよう!動いてみよう!と思わなければ、すぐに忘れる。とにかく身体で覚えるのが一番!」と、経営者も仰っていました。

であれば、頭で覚える前に、身体を動かして経験をして、そのことを概念化していく(なぜ上手くいったのか。次はどうするのか。もっと良くするには何ができるか。などを他でも活かせるように考える)事をすれば、身につくのではないか。そう思って、OJTの関わり方なども考えるようになっていきました。

娘も、間違っていてもやってみる。何故間違ったのかを学べば良いと言われているのですが、やはり失敗したくないようです。
相手にあった学び方は様々なのかもしれませんが、改めて思うことは、「頭で覚える」だけでも、「身体で体験すること」だけでも、学びには繋がらないのだなという事です。

両方が必要なのでしょうね。
パソコンを使えるようになって来た時も、漠然と習うよりも、「これを作ってみたい」と思う時の方が、スキルは偏っているのかもしれませんが、私には使えることばかりだから、学ぶスピードは早かったです。

二つをセットにして、教育もしていく必要があるのでしょうね。
ふと顧問の言葉を思い出し、改めて「教える」「学ぶ」について、何が必要なのかを考える機会を頂きました。

先生、ありがとうございます。
今でも、ハードだった練習と共に、この言葉もしっかり身についていますよ。

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