強制された仲良し?

企業コーチングに伺って、ミドルマネジャー層とお話をさせていただくと良く解ることがあります。
それは、風土というものは、日々の中で作られていくものなのだなと言うことです。

ある企業のミドルマネジャーAさんとお話をさせていただいた時の事でした。
「部下とは上手く連携が取れているのですが、上司との連携がうまくいかないんです。どうしたらいいですかね。」と始まった事がありました。

私「そうなんですね。どうされたいですか。」
Aさん「そりゃ、もっと上司のBさんと上手く連携が取れれば、風通しも良くなって、もっと成果も出しやすいですよ。」
私「成果が出やすいように変えていきたいんですね。」
Aさん「そうなんです。どこから話したらいいかなあ。」
   (上司との現状を話してくださいましたが中略)
私「上司は、ご自身で連携が取れていると感じられているのですね。なるほど。」
Aさん「・・・・」
私「あれ?聞き取れてなかったですか。すみません。」
Aさん「いやいや。今、smilecoachさんに上司との連携が取れていると上司は思っているが、
    違うとまとめてもらうと、何だか僕にも同じ事が起こっているように思えてきて・・・。」
私「そうなんですか?」
Aさん「・・・・。僕も、部下に仲良しのフリを強制しているだけかもしれません。」
私「どういう事ですか。」
Aさん「いやね、部下に『俺たちみたいに仲良く共有しあえたら、B上司ももっと本音が言えるのにな』って、僕達が仲が良い事を前提で話しているなと、思ったけど、聞いたことないんだよ。ほんとはどうなんだろう?」
私「どうなんでしょうね。確かめる方法はあるんですか。」
Aさん「そうだなあ、ぶっちゃけ聞いてみても、本音かどうか解らないし。でも、直接聴くしかないんだよなあ。」
私「そうなんですね。本音を言ってくれそうな人はいらっしゃいますか。」
Aさん「今、考えてたんだけど、居ねえんだよ。結構、Bさんのこと言ってる場合じゃないかも。」
私「うわっ、どうしましょう。」
Aさん「やめてよ、その反応(苦笑)。駄目だ、今日とにかく聞いてみるよ。後は反応次第だな。」
私「それもそうですね。その行動力にはいつも感動です。」
とやりとりをしました。

結局、自分自身が「部下に仲良しを強制していたかも」と気づかれて、部下に聴かれました。
その後の変化が大きかったです。

メールが来ました。
「朝礼で僕はみんなに仲良しを強要している気がする。本当はどうなのかを知りたい。とは言え、いきなり正直には言いづらいだろうから、この箱に、仲良しだと思ったら◯。強要されていると思ったら☓。どっちでもないと思えば△で明日の朝礼までの間に記号だけでいいから書いて入れて欲しい。と頼んだ。
残念な事に、◯がゼロだった。僕にとっては、衝撃だった。なぜなら、Bさんには文句を言う人が一人居る。しかし、僕には文句を言う部下も居なければ、仲が良いという部下も居ない。この△は◯じゃないかと思いたい気持ちになった。
でも、現実が解った。僕はこれから、自分の関わり方を見直す事にする。」
と書かれていました。

次にお伺いした時には、Bさんに対する話しは一切ありませんでした。
それどころか、「あの部下はどうしたいんだろうか」「それは聞いてみないと解らない」「僕はこう伝えたつもりだけど、ちゃんと伝わっただろうか」と、相手とのやりとりを非常に大切にされている事が伝わってくる自問が増えました。

まだ1ヶ月。
これからのAさんの変化と、その部下の変化を楽しみにしていたいと思います。

そして、自分の周りに置き換えてみると、Aさんと同じような思い込みってあるように思います。
私自身も改めて見なおしてみたいですし、周りに聞いてみます。

あなたは、周りの人とのやりとり、円滑ですか。
それは本当ですか。

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