チェックチェックってさあ

ある企業の工場長さんとお話をさせてもらいました。その時の会話です。

(登場人物:工場長Aさん、私)
A 「smilecoachさん、聞いて下さいよ。なんでうちの部下はあんなに
  ミスが得意なんですかね。ろくに出来ないから、ミスのチェックをす
  るようにしたのに、更にそのチェック漏れも発生して、何だかやって
  られませんよ。」
私 「へえ。そんなにミスが多いんですか。」
A 「そうなんだよ。取引先にもこれ以上ミスが続いたら、取引止めると
  まで言われちゃいまして、社長は何とかしろというし、専務には怒
  鳴られるし、駄目な部下を持つと大変ですよ。
  smilecoachさんだって、製造業で管理職されていたから解るで
  しょ。」
私 「確かに、あちらこちらから責められると、ホント困っちゃいますよね。
   でも、私も同じような事を思っていたのですが、社長にバシッと言
   われて変わった事がありますよ。」
A 「えっ?!何を言われたんですか。smilecoachさんでも言われる事
  があるんですね。」
私 「私はしょっちゅう怒られてました。(笑)」
A 「で?変わったのは何を言われたんですか。」
私 「部下を育てられないのはあなたの育て方が悪い。出来ないと思う
  ならば、出来ない人でもできるように考えるのが、上司の役目だろ。と」
A 「・・・。耳が痛いですね。けど、そう言われてどうされました?」
私 「Aさんと同じような事があったのですが、その時にはチェックをする
   のは最終手段として、そもそもなぜそのミスが起こるのか原因を
   部下と共に考えました。
   今回どうではなく、同じようなミスが起こるとしたら、どこで発生する
   可能性があるのか。
   そのミスが起こる可能性を無くす、或いは減らすにはどうしたらいい
   のかも部下と考えました。」
A 「それで減ったんですか。」
私 「はい。減りました。けど、一番の財産は、部下がミスに敏感になって
   くれたことです。やれと言われても意識が薄らぐけれど、ミスが起こ
   りそうだと、言ってくれるようになりました。これは、部下が成長して
   くれたんだと思います。」
A 「何だか私がやってきたことって、チェックばかりで、人がチェックしても
   同じようにミスが起こる可能性はありますよね。ウーン。」

しばらく黙り込まれた後に話されました。
A 「チェックチェックってさあ、ついつい結果ばかりみてきたけど、人も
  製品も、同じように途中を見てあげないと、良い結果は生まないのかな
。」
私 「Aさん、その言葉、凄くいいですね。使わせてもらってもいいですか。
   人も製品もって、確かにそうですよね。」
A 「いやあ、ドンドン使ってよ。でも、私はまだ実践がこれからだからね。
  せっかくいい言葉だって言ってもらったし、どこかに書いて貼っておくか。(笑)」

工場長の言葉が、改めてそうだなと心に刺さりました。
これからの実践の途中経過を楽しみに伺っていきたいと思いました。

あなたは、相手の何を見ますか。

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