こんなリーダーは見なおしてみる価値あり

私自身もそうでしたが、とあるリーダーが集まる研修を行った時に、部下を数名連れて皆さん参加されていました。
そんな場で「私の会社はコミュニケーションが取れているので、共有についてはバッチリです。」と、堂々と語ってくださったリーダーがいらっしゃいました。素晴らしい企業ですよね。
ところが・・・

その瞬間、一緒にいらしていた部下が目を下に向けました。
その場で部下に伺っても、他の皆さんもいらっしゃいますし、何も言えないだろうと思い、あえて質問はしませんでした。が、休憩時間にこっそり、部下に、あの反応は何だったのかを伺いに行きました。

すると、「上司はいつもそう仰って下さるのですが、僕達には情報が降りてこない事も多いので、上司が僕達の事を把握しているだけで、僕達は本当に目の前の事をやって、評価をされるだけしかないんです。それを共有できているというのかどうなのかと・・・失笑」

「●●さん達(部下数名)の思う共有というのはどういう事でしょうか。」と伺うと、「やはり、上司が把握しているだけではなくて、全てではなくても、必要だと思われる情報は僕達も知っていて、一緒に頑張っているんだと思える状態じゃないでしょうか。僕達の会社で言うと、もう少し上司からの情報も伺えると、共有していると言えるようになると思うんですが・・・。」

そう話している間に、休憩から戻っていらした上司が、「何を話していたんだ」と入っていらっしゃいました。
私も思わず「共有ってどういう事だと思うかを聴きにきたところです。」と応えてしまい、部下がまた下を向いてしまいました。

慌てて「共有できていると仰っていましたが、●●さん(上司)が思う共有ってどういう事ですか。」と聞いてみました。
「上司も部下も今の状況や、今後の事が解りあえていることでしょう。当然ですよ。」と最初は笑っていましたが、「あっ、部下は何を知りたいんだろうなあ。おい、何知りたい?」と部下に急に会話を振りました。

下を向いていた一人の部下が「今でも充分なんですけど。。。できれば社長が何をしていこうとしているのか。僕達に何を期待しているのかなども聞けたら、仕事ももっとやりやすくなるかと・・・。」と様子を伺いながら伝えると、しばらく考えた後、「そういえば話してないことも結構あるよな。さっきできてるって言っちゃったけど、私だけが解っているのかもしれませんね~。まだまだです。」と私に笑いながら応えて下さいました。

その場で聞く耳を持って気付かれたリーダーも凄いなと思いましたが、「コミュニケーションが取れている」って言葉ほど、曖昧な事はありません。それぞれが考えているコミュニケーションについて、話しをしていただくと、食い違っている部分があり、上司が出来ていると思っていても、できてないこともあるのですよね。

私も、自分が部下とのコミュニケーションもプライベートも共有できていると思っていたのに、突然辞めますと言ってきた部下に、「smilecoachさんは、私と全く話してくれていない。仕事以外の話しもしてくれていない。だから、息が詰まるので辞めます。」と言われた事がありました。ショックでした。お互いに結構話していたつもりだったのに、「全く」と言われた事に。どんな話しを望んでいたのかも聞きましたが、私はしているつもりの事でした。でも、望む量に違いがあったのでしょうね。お仕事に関して任せていた部分も増えていた時期だったので、信頼していただけにショックは大きかったですが、私がもう少し、途中で言ってもらえる環境を作れたら良かったのかもしれません。(私達は大丈夫だよね、と言っていた当時の私)

部下の目を気にするということではなく、部下の事も理解し、お互いが理解しあえる事も情報共有の一つではないでしょうか。

「私のところは大丈夫」と言っていらっしゃるリーダー程、部下が言えないようにしてしまっているのかもしれませんので、本当にそうなのか。「大丈夫」な状況に誤差はないのか、今一度確認されてみても良いのではないでしょうか。

自分の成長のきっかけとなった事をふと思い出した研修での一コマでした。
あなたは、「大丈夫」と思っていることを、部下にも確認してみたことはありますか。

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