やりがいってなんだ?

仕事にゲームのような仕組みを取り入れるゲーミングだったり、自分に合う仕事を探す取組みだったり、仕事を「楽しむ」という事が更に言われるようになってきていますが、楽しむというよりも「やりがい」を感じるということなのかと言葉を変えてみたくなることがありました。

あるマネジャーAさんがそろそろ50歳を目の前にして、「後継に道を譲るためにも役職を引退しようと思うが、変なプライドもあって、辞めて独立をしようと思う。」と仰っていました。
優秀な方と上司からも部下からも言われている方なので、きっとやりたいことがあるのだろうと思って伺ってみました。

私  「そうなんですね。独立後はどんな事をされるんですか。」
Aさん「それがさあ、仕事ばっかりやってきたから、考えた事なくてさあ。どうしたらいいと思う?」
私  「さあ、どうされたいのでしょうか。
    独立しようと思われたのは、先ほど仰っていた理由だけなのですか。」
Aさん「まあ、ぶっちゃけ会社に通わなくてもできる仕事をしたいという安易な発想もあるよ。
    あとは、ここまでずっと勤めあげてきて、何もないって事はないと自分を試したい思いもある。」
私  「そうなんですね。・・・・・」と笑顔で終了にしてみました。

Aさん「ちょっとちょっと、小林さん。話しを終わりにしないでくださいよ。」
私  「あっ、ごめんなさいね。私は何をしたらいいんですか。」
Aさん「小林さんが独立した時の事を聴かせてよ。」
私  「あ、独立の何を話しましょうか。」
Aさん「なんで今の仕事に決めたのかとか、どういう準備したのかとか。」
私  「独立の時の思いや行動って事ですかね。」
Aさん「そうそう。そうだよ。ちゃんと聞いたことないからさあ。」

と、私の話しを少しさせてもらいました。
すると、Aさんが不意に「あっ、僕、やっぱり独立はしない。今、聞いてたら、僕の好きな仕事だったり、やりがいだったり、今の職場に沢山あるんだよ。まだやり足りない部分もある。後継に道を譲ったら、もう少し今までマネジャー職のためにやれなかった事をやってみたくなったきたよ。うん。僕の望むのは独立じゃなくて、やりがいを感じられてなかったから、辞めたくなってただけのようだよ。話してくれてありがとう。そのことに気づけたよ。」と、大きな声で、スッキリしたような表情で仰って、一人笑いをされながら、去って行かれました。

取り残された感はありましたが、改めてAさんの言葉が思い出されました。
「やりがいがあるのに、感じてなかっただけ。」と。

仕事中毒と、やりがいがあって思わず没頭して、次なるエネルギーに変わるという状態は、傍から見ていると行動量は同じでも、不快に感じるのか心地よく感じるのかは全く真逆なんでしょうね。

Aさんは、不快だと思い込んでいた事が、心地よかったんだという事に気づかれたのかなあと勝手に想像をしました。

私自身も、合う仕事を見つけるというよりも、出会った仕事の中でやりがいを見つけ、没頭し、それがまたエネルギーに変わって頑張れたように思います。
その循環を起こすきっかけが、自分のやりがいを認識することだったなあと改めて感じました。

そう思うと、仕事を楽しむ(或いは仕事に楽しみを見出す)には、まずは目の前の事をしっかり行って、成長を感じ、自信を高める事で、やりがいを発揮していくのではないかなと想像しました。

Aさんはきっと、自分のやりがいを見出されたので、仕事の中でこれからも挑戦しながら、やりがいを大きくされていかれるのかもしれませんね。
今度お会いした時には、その後の様子を伺ってみようと思います。

私も、改めて自分のやりがいを言語化してみようと思います。

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