一回の失敗を許せないことって

失敗というものの定義にもよってしまいますが、「一回失敗すると、もう現場には居られないんです。だから失敗は許されないのに、変わったことを提案しろって、必ず失敗しないものに挑戦しろって事に聞こえてしまうんだけれど・・・。どうしたらいいんですか。身動きとれませんよ。」と悩むA君の話をききました。あなたがA君から相談を受けたら、どう答えますか。

正直、レベルにもよるだろうけれど、「失敗のない挑戦なんて、一回目で結果を出せって事だから、キツイよなあ」と思いました。
しかし、上司側に立つと、そう言いたくなるのも何となく解る。ましてやコストがかかるとなれば尚更でしょう。
では、どうしたらいいのでしょうか。

そもそも、責任は誰にあるんでしょうか。
上司もOKを出しているとしたら、上司は管理をする立場のままだけれど、部下だけ現場から外されてしまうのでしょうか。これもあれ?と思う所でした。

私「そもそも挑戦をする時には、どんなプロセスを踏んでいるのですか。」
A 「こうしたらどうかと思うことを上司に提案して、良いねと言ってもらったら、やってみるという感じです。」
私「どう提案されているのですか。」
A 「文書に稟議を出して、印鑑を上司にもらっている形です。」
私「そうなんですね。」
A 「そうです。印鑑ももらっているのに、上司はお咎めなしで。」
私「ちなみに、稟議を出した時には、その提案はどんな思いで出されていますか。」
A 「思いですか?難しいですね。
  正直、何か提案出さないといけないので出すだけで、上司の判断にゆだねています。」
私「そうなんですかあ。」
A 「えっ、みんな同じですよ。きっと。」
私「みんなって誰ですか?」
A 「僕達下っ端と呼ばれる奴らなら、みんな失敗できないから、恐る恐るですよ。」
私「もしも、失敗してもいいよって言われたら、やってみたいことってあるんですか。」
A 「ここだけの話、ありますよ。でも、失敗可能性もあるんです。」
私「あるんですね。なのに提案が出来ないわけですね。」
A 「そうなんです。僕だけじゃないですよ。結構いいアイデアらしきものがあるんですけどね。」
私「勿体無いですね。」
A「でしょ?」
私「はい。何とか失敗の可能性を少しでも潰せませんかねえ。」
A 「はい?やってみないと解らないですよ。」
私「そうですよね。失礼しました。でも、なぜこう失敗するだろう?ってのが見えているんですか。」
A 「だって、似たような事例はありますからね。」
私「あら、似たような事はあるんですね。」
A 「あっ、そこで似たような失敗にならないようにすればいいのか。
  でも、そんな事している時間も取れないしなあ。」
私「時間ですか。どのくらいあればいいんですか。」
A 「ちょ、ちょっと突っ込みますね。でも、痛いところです。
  なんか正直、逃げてるって言われているみたいでキツイですよ。」
私「そうですか。すみません。でも、逃げているって思われるんですね。」
A 「そうですね。ちょっと周りと協力しながら時間作ってみるかな。
  きっと一個成功例が出たら、違うだろうからなあ。けど、失敗は怖いですよ。」
  「あっ、こういう事が起こる可能性もあるって先に書いちゃえばいいのか。」
私「あれ?随分、前向き発言に聞こえてきたんですけれど。」
A 「ほんとですね。何だか、上司のせいにしてたんだけど、僕らがやることもやってなければ、上司の事ばかり言ってもね。」
私「そう思われたんですね。何だか進みそうですね。」
A 「はい。ありがとうございます。ちょっとやってみますよ。」

こんな場合ばかりじゃないでしょうが、話を伺っていたら、私の場合は、部下の失敗をちゃんと許せていたかなあ?と反省する部分もありました。
同じ一回の挑戦であっても、こうなるかもまで考えられた挑戦と、思いつきでした挑戦は、その先の振り返りからの展開が違ってくるのだろうなとも思いました。
一回の失敗などで、相手を決めつけてしまわないように気をつけようとも思いました。

部下側から見たら、まだやれることあるかも、と思うだけでも視点が広がっていくのでしょうね。
しかも、まずは動く。行動って必要な事なのでしょうね。

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