出すぎた杭

上司に「出た杭は打たれるけれど、出すぎた杭は打たれないから、出過ぎる位頑張れ」と言われたことがありました。その言葉をふと思い出しました。

当時の私は、同僚にも部下にも厳しく、上司には信頼されていたけれど、それが一段と気に入らないようで、嫌われている事を薄々は感じていました。
が、正直、中学の頃にも同じ思いをしたことのある私にとって、リーダーが嫌われ役になることで、みんながまとまるならそれも良いと考えていたので、なんとも感じて居なかったのですが、改めて上司から「あなたは出た杭扱いされているんだ」と明確に伝えられた事には多少なりのショックを受けました。

が、きっと私の中で、中学の頃に体験したいじめられた体験に耐え続けた事だけでなく、部活動でキャプテンとして顧問の先生が入院した時に50名近い部員に嫌われながらも、ハードなメニューをこなした結果、中学最後の試合が終わった後にみんなに「あの時、頑張らせてくれて有難う」と言われた体験もあって、2つの当時の大きな体験が、私に一つの思い込みをくれていました。

それは「出た杭も重要だった事が後からでも解る時が来る」というモノでした。
だからこそ、出た杭になっている事に気づいても、知らないフリが出来ました。いつしか一つ一つに衝撃を受ける事がへり「鈍感力」を身につけた気がします。

けれども、今回「出ているよ。浮いてるよ」と敢えて言われた事は、鈍感だった私の心に響いてきたわけです。
有難いような、有難くないような気分ではありましたが、感じたのは「鈍感のフリ」はいいけど、「鈍感」になっちゃいけないって事なんだろうなと言う事でした。

周囲にどんな影響を与えているのか。
そのことを見ることができなかったら、出過ぎる事も出来ない気がしました。

自分で言うのも何ですが、結構素直に聴いてみて、違ったら後から変えればいいと思って、尊敬する人がアドバイスしてくれた事は、すぐに実行します。
出すぎた杭になるために、「鈍感」ではなく、今、みんながどう感じていて、どんな影響を与えているかも考えた上で、「鈍感を装う」事にしました。

すると、正直一人である事は感じませんでした。なぜなら、自分の自己満足かもしれませんが、一人ひとりに違う対応をしながら、関わる人達が成長していく事を感じられるようになったからです。
中学の頃のように、結果として「良かった」と言われるのではなく、私自身も部下自身も、成長を感じられている事を受け止める事ができました。

良く部下が自分以上に成長するのは無意識に避けてしまうと言われますが、私は勝手に「出すぎた杭」(全然違う位置づけ)になっていると思い込めた事で、部下の成長が嬉しくて、私に持っていないものをどんどん伸ばして成長してくれる事が楽しくてたまりませんでした。

今になって改めて思うのですが、上司がどういう意味で「出すぎた杭」という言葉を使ったのかは解りませんが、自分らしく解釈すると、「出すぎた杭」というのは、「俯瞰するゆとりを持つ」事であり、自分「も」努力することであり、自分を違う位置づけだと思える程の何か得意を持つことなのかなと。

サッカーでワールドカップ出場が決まった後の会見で、本田選手が話していました。
「チームワークが素晴らしいのは(日本としては)当たり前のことで、これからの課題は『個』です。それぞれが自分の能力を高めていくことで、更にチームワークとして世界で戦えるチームになる。誰かと一緒に戦えて・・・なんて言っているようでは、まだまだ世界で戦うに値しない。」(自分の解釈です)

なるほど!って思いました。
これは、ビジネスでも言える事で、個々が「出すぎた杭」になれってことかなあ、と思いました。
さて、出すぎた杭になろうじゃないですか。

コメント

  1. wakuwaku より:

    私も好きな言葉です。
    出る杭は打たれる。出ない杭は腐る。出すぎた杭は打たれない。
    もう、出すぎるしかないですね♪

  2. coachsmile より:

    wakuwakuさん

    以前はその通りにしてきたのですが、仕事が今の仕事になり、きっと自分の中に躊躇があったんです。というよりまだあります(笑)
    が、敢えて口にすることで、出すぎてみようと思いました。

    ちなみに尊敬する方が、最近こんな事も仰っていました。
    「優等生になるな。天狗になれ!」と。

  3. wakuwaku より:

    素敵な激励の言葉ですね♪
    smilecoachの無限の可能性に、火をつけたい!! と思われたような気がします。

  4. coachsmile より:

    wakuwakuさん、ありがとうございます。
    ほんとに、こうした事あっての今の私だと感じています。

    出会う方々に感謝ばかりです。

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