一般化したがってしまうリーダー達

私を含め、「今年の新入社員は・・・」と一般化(全体を一くくりにしてしまう事)してしまう傾向があるように思います。リーダーがしてしまうことによって、個が失われてしまう事にも繋がってしまうと思うので、気をつけなければならないと感じました。

「あの会社の人達は・・・」
「今年の新入社員は・・・」
「最近の新社会人は・・・」
「高卒の社員は・・・・・・・」
「理系出身者は・・・・・・・」
多くの一般化を行う事で、判断基準を作り上げ、その人達との接し方を考えていくという観点では、多くの人達に接するリーダーには必要な時期もあるのではないでしょうか。
しかし、そのことで個々の違いに目を配る事を怠ってしまっては、後々になって「あれ?こんな感じだったっけ?」という事も発生してくるように思います。

もちろん、「あれ?」と思った時に、すぐに見方を変化させられる柔軟さを持っていれば良いのでしょうが、すぐには受け入れられないもの事実だと思います。

今年度は多くの企業様の新入社員研修に携わらせていただきました。
その経過を通して、「今年の新入社員の方々は・・・」と非常に良い印象を持ち始めていました。

そんな印象を持ち始めていた時に、ある企業様の研修をさせていただくと、「あれ?昨年と変わらない雰囲気。今までの所がたまたま良かったのか?いや、ここが普通なのだろうか?普通ってなんだ?あれ?あれ?」と、きっと決めつけて接し始めていた私に動揺があったのだろうと思います。

時間的にゆとりを持てる研修だったので、皆さんがワークをされている間、少し冷静に考えてみました。
「あっ!知らないうちに、一般化してしまっていて、個々をそんなに見れてなかっただけかもしれない。いや、そんなはずはない!ちゃんと見ていたし、記録も個人毎に語れる位の情報を得ている。なのに、私はなんでこんなに決めつけちゃったんだろう。どこかで、多くの人達に接するうちに、記録だけに夢中になって、やっぱり全体評価をしてしまっていたのではないだろうか。今日は初心に戻って、一人ひとりをじっくり見てみよう。うん!」

自分の中で気持ちを切り替えて、参加者に接してみると、そもそも「今年の・・・」「この会社の・・・・」という言葉は全く浮かばなくなりました。
情けない話しですが、無意識に手抜きをしようとし始めていたのかもしれないなと感じました。もっと言えば、作業のように考えてしまっていなかっただろうかと反省しました。

同じメンバーに接していくリーダーという立場では、こういった事は少ないのかもしれませんが、一度貼ったレッテルをなかなか剥がせなくなることで、「この人はこういう人」という決めつけとなり、変化していくその人を受け取れなくなるという状態を生みます。

多かれ少なかれ、私達「人」は、こうした特性を持っているのだという事を知っている事は必要ではないかと思います。
そして、その一般化してしまう事は、悪い事ではなく判断を早める事には有意義なのかもしれませんが、いつでも違っていれば、違っている、或いは変化したと受け容れていく柔軟性は持ちあわせていたいものです。

今回の自分の体験は早めに気づけたことで、意識を個に向ける事ができ、結果的に集中力も全開でしたが、良いものを提供できたであろうと自負できました。が、いつまた無意識に陥ってしまうか解らないので、こうした「癖」を自分たち、特に多くの人達を見ているリーダー達は、気をつけていきたいものですね。

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