ネイティブコーチのひとりごと

ネイティブコーチと仲間から言われるsmilecoachの考え方、コーチング的要素、日々の生活や研修講師・リーダーを楽しむ様子からのsmilecoach自身の気付きを毎日お伝えします。

待つのも仕事?

   

とある会でチームディスカッションを任された時の事です。私は一メンバー、リーダーはOさんでした。Oさん私含め六人のチームです。
一か月後に成果発表があり、最初に決められているのはテーマだけで、内容は完全にお任せされている状態でした。目的は自分達の学習をいかに日頃に活かしていくかという事をシェアしあう事でした。その時のOさんの関わりが私の「リーダー像」を崩してくれました。

崩すと言っても、悪い意味ではなく、単に「リーダーはこうあるべき」という思い込みを打ち砕き、「これでいいのかな?」と問いを下さったように思います。

私の役割は、「言い出しっぺ役」です。誰も何も言わない時に、「こういうのどう?」「こういう学びがあったんだけど、これってどうすればいいの?」と問いかけていました。けれど、なかなか出て来ません。私ともう一人がどうかなあと話してみるけれど、他の反応が薄いので、待ってみました。その間、Oさんもじっと見守っています。
静かな話し合いの終わりに、Oさんは「次の話し合いの日程だけ決めようか」と日程と、連絡方法だけ決めて、「次回までに考えてみよう」とだけ言って解散となりました。

その後、Oさんに「この状態でいいんでしょうか。一か月後にはアウトプットしなければならないんですが・・・」と不安げに訪ねてみると、Oさんは、「仮に一か月後に成果が発表できなくても、その時に学ぶ事も大きいんだから、一か月後をゴールではなく、その先の成長にゴールがあると思えば、いいんじゃない?」と言うんです。

私は確かにそうだなと思いながらも、既に学んだ事は沢山あって、そのことを生かしている事もあるので、そのことをシェアすることも発表を聴く人達に対しては大切な疑似体験になると思うんだと話しをしました。

するとOさんは、「そういう考え方もあるね。でも、他のメンバーがどう受取り、どう次までに考えてくるのかを聴いてからにしよう。無理して、浅い内省で整理することになって、それで満足してしまうよりも、悶々とする時間を経て、よしっこうやろう!と自分達で思えた時の方が、アウトプットの質もいいと思うんだよね。もどかしいかもしれないけれど、他の静かなメンバーがどんな事を考えてくるか待ってみない?」と言われました。

面白そうだなと思えました。
次の機会までに自分も考えながら、ちょっと待ってみることにしました。

次のミーティングが行われました。すると一人は凄く内省をしてきたようで、資料も作り、まとめてきていました。私のものが凄く表面的に見えるほどでした。しかし、他のメンバーは「仕事が忙しかった」などを理由に全く考えてないようでした。

私は、まとめてきてくれた人のを聴いて、「まだまだ浅いな」と思った事、「情けないな」と感じた事などをメンバーに伝えて、次回までにはもう少し深めたいと言いました。他の人にも聴いてみると、同じような事が出てきました。
Oさんは、次のミーティングをどうするかも皆に投げました。結局、発表当日の朝に集まる事になりました。

発表当日の朝、Oさんは、「それぞれが考えた所までを自分の言葉で発表しないか。最後は僕が発表して、責任を持つ」と言いました。
その安心感を得てから、朝のミーティングがスタート。正直、発表するには拙いなと思うものもありました。けれども、明らかにその人の言葉であり、これからやっていこうという思いは伝わって来ました。

本番!!
それぞれがミーティングで話したように話し、最後のOさん。

「私達は、この一ヶ月、悶々とする時も過ごしてきた。このままでいいのか。発表に間に合うのか。でも、発表が最終ゴールではないと私の勝手な判断で決めて、過ごしてきました。今日の発表自体はどう聞こえたのか判りません。けれど、私達が自分の言葉で伝えられる今の精一杯です。今日が悔しいと思えば、これからこの体験から得たものを活かしていけるし、心地良いと思えば、今日の体験が成功体験となります。無駄なものはない。

実は、僕にとって今回の挑戦は、リーダーとして待つ事でした。この一ヶ月を通して、待ってみて、今はよかったと感じています。このメンバーを信じるという事を肝に命じて、本当は苦しかったけれど、待ってみた。結果が今日です。メンバーそれぞれが、自分の事を自分の言葉で話せています。これって凄いことだと思いました。誰に依存するわけでも、言われるだけでもなく、それぞれが今日を目指した結果です。

僕は、日頃の仕事では待つ事のできないリーダーです。この一ヶ月で、明日から待つことも仕事なんだと言い切れるようになりました。
実験なわけではなく、こうして挑戦させてくれたチームに感謝です。」

言葉は少し違うかもしれません。けれども、心に刺さってきた発表でした。
普段のOさんは、違っていたんだあ。私に言っていた事は、自分への挑戦だったんだあ。今までの一ヶ月のOさんの関わりが頭を駆け巡りました。

リーダーは緊急かつ重要であれば、引っ張っていくものだと私の中で思っていたのです。
けれども、今回の関わりを通して、ゴールをどこに置くかによって、短期で置かれたゴールを敢えて学習の機会だと考えると、待つことも仕事になるのかもしれないと思いました。つまり、メンバーの主体的な成長の機会を作る事にも繋がるんだなと。

まだ、それ以降こうした機会には出くわしてないですが、チームのゴールを出来るだけ先に置いてみて、短期のゴールの位置づけをどう意味付けするのかを考えてみたいと思いました。

果たしてその時に、本当に待てるのだろうか。
ついつい、目先のゴールで失敗したくないという自分が居て、ついつい口を挟んじゃうのではないだろうか。懸念材料はありますが、「その先に何を望むのか?」という問いは、常にできるようにしていこうと改めて考える事ができました。

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