事実かどうか

定期的に行っているコーチング研修の際、毎回現状を棚卸ししています。毎回同じシートを使って行うところからスタートしているのですが、毎回悪くなっていく人が居ます。それは事実なのでしょうか?実は、自分でチェックをする項目は曖昧な基準を持っています。そのため事実はちがうようです。
さて、何が起こっているのでしょうか。

毎回行っている現状を知るための通称「棚卸しシート」は、毎回同じものです。同じチェックシートにチェックをつけていくのです。そして、つけてみてどうなのかを最初に確認します。
その際に、何名かの方の声がしました。「毎回悪くなっていくんですよ」「今回、意識してやってみたのに、チェックをつけられなくて残念です」

さて、あなたは何か聴いてみたくなる事はありませんか。

そう、チェックをしている人の基準などが全く前回と違っているのです。
「誰を想像してのチェックなのか」
「誰から見てみたチェックなのか」自分から見たものを望んだだけでしたが。。
「基準はどんな基準ですか」
確認してみると、一定ではないのです。

つまり「相手の話を最後まで聞きました」という問いにチェックをつける場合、
お客様はそうだけれど、家族は駄目。前回は上司としてつけたけれど、今回は家族を対象としてつける。
自分は出来てると思っているけれど、相手からみてどうなのか確認してないから分からない。
知識がなかったから聴いていると思っていたけれど、学んでみたら最後までじゃなかったかも。
それら全て、その時々で基準がずれているのです。

これらの会話というのは実は多く社会に氾濫していると私は思います。
だから、基準のずれた状態で議論をしてしまうような会議さえあるのではないでしょうか。

では、基準をそろえるにはどうしたらいいのか。
それは起こっている事実は一つのはずですから、事実が見えるような形での基準作りが必要になるわけです。

例えば、●●さんの話しを20分は言葉を遮らずに聴く。とか誰でも再現可能なようなレベルまで基準を具体化します。それがいわゆる数値化ってものかもしれません。数字に落とし込むと非常に無機質な感じがして嫌だという人もいます。けれども、できたかどうかの基準などを、周囲と共有したり、自分が常に同じ基準で見られるようにしておくことは、自分の成長を確認するうえでも大切になります。

今回の場合も、客観的に成長している事が見受けられるのに、本人は知らないうちに自分の基準をあげてしまったので、出来てないと判断してしまっていたのでした。

人との話しの中で、事実なのか解釈なのかを見極めることは重要な事の一つではないでしょうか。

あなたは自分の基準は明確になっていますか。
私もまだまだ曖昧ですから、一緒に考えてみませんか。

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