ネイティブコーチのひとりごと

ネイティブコーチと仲間から言われるsmilecoachの考え方、コーチング的要素、日々の生活や研修講師・リーダーを楽しむ様子からのsmilecoach自身の気付きを毎日お伝えします。

認めること、聴いてあげることってこんなに大切な事なんだなあ

   

認知症を自覚し始めた父が、最近、母の居ない時に良く話をしてくれます。なんで母の居ない時なのかも昨日話していて知りました。その中で、病気云々にかかわらず、認めることと聴くことが相手に与える影響という事を深く感じることができました。

父は認知症の診断を受けてから既に1年近くになると思います。最初は判らない程度だったのですが、最近は明らかに明確に症状が出ています。いつも一緒に居る母にとっては、ウンザリなんだろうと思います。が、それ以上に父は悲しいようです。

昨日の事でした。夕食を毎晩一緒に食べるのでテレビを見ながらいると、父が急に立ち上がろうとしたかと思うとすぐに座りました。その事にふと父自身が気づいて、今の行動について説明をしました。
「僕ね、メモをしようとメモ帳を取りに行こうと立ち上がったんだけど、数歩歩いたらここは自宅じゃないことに気づいたんだ。(この時点で既に数歩は歩いていません。)どうも最近、駄目だね。そういう人を見ていた頃はお気の毒って思っていたのに、まさか自分がそうなるとはね。悲しいよ。」
私は「そうだったんですね。でも自分で気づかれたんですね。良かったですね。」と言うと、ホッとした顔をされました。

その後、怒られるって駄目みたいなんだ。と急につぶやかれました。どうしてですかと聴くと次のように話されました。
「明日の予定を聞いて、メモをするんだけど、分からなくなってしまうからきっとまた聞くんだよね。そうすると女房が、『さっき言ったじゃない』って怒りながら言うんだよ。でも、僕にとってはさっきはないから今が初めて聞くわけさ。でも怒られるから、一段と動揺しちゃって、また聞けなくなるんだよ。で、また聞くと『いい加減にしなさい』って言われちゃうんだよね。女房が悪いわけでもないんだけど、僕も判らないから聞いているだけなのに、怒られちゃうと、駄目なんだよね。わけわからなくなっちゃって。」と悲しそうに言うんです。

私は何も言えなかった。母の気持ちもわからなくもないですし、母はいろんな人に気配りされる方なので疲れているんだろうなと。

それでも自然に出た一言が「そうした事がわかっていて、伝えられるんですから、大丈夫ですよ。私は暇ですから仮に同じ事でも何度でも聞きますよ。」と言う言葉でした。いいのか悪いのか、失礼なんじゃないかと後から思いましたが、父は安心したのか、急に昔話を始めました。

たまに辻褄が合わない事もあります。結婚しているのに高校生だったり、子供が自分より年上だったり。
でも、理解しようというよりは、いっぱい気持よく話させてあげたいなという思いで聞いていました。いつも母が居ない時にしか話さない父が、昨日は母も居たのに話し始めました。

すると母は話しを聞いていて間違っていると正しく話させようとします。途中で話しをとってしまおうとします。でも、ずっと父を向いて話しを聞いている私に気づいて、父に話しを戻します。
そんなやりとりを続けていると、「今は里江さんの事も解るけど、そのうち忘れちゃうかもしれない。だから今のうちに話さないとね」「見ててくれるのに、僕はいつかいらっしゃいって言っちゃうかもしれないしね」と本音を伝えてくれました。

私が出張の仕事を入れられるようになったのは、この父のおかげなんです。家族の中で一番最初に私を認めてくれた人なので、私にとって父は大切な存在です。会話など今までもそんなにしたことがないけれど、それでもその思いだけは揺らいだ事はありません。それが父には伝わっていたようなんです。認め合えるってすごいことなんだなと思いました。

話しをどんどんしてくれる父を見ていて、聞いてることしかできないけれど、こんなに楽しそうに話してくれるんだなあと思うと、嬉しくなりました。

これから大変な時期が来るのでしょうけれど、それでも存在を認め続ける事はできます。話せる間は聞いてあげることはできます。
それだけしかできないけれど、そのことが大切なんだと実感した上で接していける幸せも感じます。

母はこうしたお年寄りを既に3人も看てきています。だからこそこれからを考えてしまうのでしょうし、今までどおりの接し方をしているのです。その母も偉大だなと感じます。出張もあって毎日話せるわけじゃないけれど、出来る限り母の前でもいっぱい話しをしてもらおうと思います。母の一時的なストレス軽減にもなるように。

ちょっと介護モードですみません。でも、人として存在を認められることと、聞いてもらえることってこんなに嬉しいんだなあと父の様子をみていて痛感しました。

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