私一人では会社は成長しない

経営者が日中ほとんど居ない中、権限も「お前に任せる」と言われて、自分の裁量でやらせていただいていた6年以上。その間に本当に色んなことがありました。その中で、いくつかの衝撃的な言葉がありました。

「あなた一人が優秀であっても、会社は成長しないんだよ。だってあなたは直接商品を作る人ではないんだから。」
ガツンと来ました。確かに営業はしていました。お客様とのやりとりも任されていました。社内の工程を組んだり、指示も調整もしていました。でも、私は思考部隊。商品を直接作るのは、仲間達なんです。なのに、どこかでいつの間にか「駒」のように扱ってなかっただろうか?自分の中で、大切にしていたはずの仲間をお客様であるかのように関わろうとしていなかったのではないか。受容できてない自分の小ささを感じました。それが部下にも伝わるから、部下は私を本気で信用してくれようとはしてくれなかったんだと・・・。

そう思って気持ちも態度も変わってきた頃のことでした。
確か成功の9ステップのジェームススキナーさんの話しをどこかで耳にしました。
「あなたは役職を降りた時も、同じように部下に相談される人なのか?」
というような問いかけがありました。つまり、役職があるから人がついてきてくれるだけで、その職を退いたら「ただの人」なんじゃないの?という問いかけです。松下幸之助さんは、職を辞されても尚、周囲の人達や元部下から相談を受けていたそうです。そういう人こそ真のリーダーなのではないかと・・・。

これまたガツンと来ました。確かに私、辞めたら誰も何も相談に来ないだろうな。逆に相談に来なくてもやっていけるようにしっかり人を育ててやめて、その上でまだ相談ってされる人になれたらいいなと思うようになりました。でも、そうなれるかどうかは部下が決めることであって、私にできるのは、今そこに居る部下に真剣に接することなんだろうと思いなおしました。
私のできることになんて限りはあります。
けれども、その様子を少なくとも部下は見ています。私が上司を見ているように・・・。

私の上司は確かに朝しか居ませんでした。けれども、しっかり全体像を把握し、細かい部分は私に完全に任せてくれていたので、私は報告を怠らないようにするだけでした。そんな少ない関わりの中で、信頼してくれるだけでなく、良く観察をしてくれていました。私的な相談にものっていただきました。忙しいはずなのに、私的な相談ほど時間を割いてくださいました。
そんな上司の背中を見て、私も自然に部下にそう接しようと思いました。上司のようには出来なかったのですが、思いは伝わっているのかなと思うこともありました。

部下の経験、上司の経験を重ねてみて、私が上司から教えてもらったことは多いです。経営者と直属の上司。ともに私にはいい上司でした。反面教師の部分も含めて・・・。
リーダーというのは、実は仕事を指示する人ではなく、生き様を見せる人なのかなあと思うこともありました。

今は組織は誰もが強みを活かしたリーダーシップを発揮する時代。社会的リーダーという役割を除いたときには、誰もがリーダーである時代。自分の生き様というものを真剣に考えた時、まだまだ未熟ではあるだろうけれど、自分に正直であり続けたいと思います。そして、人に対して、どう関わっていくのか。誰もが師匠であり、誰もがお客様であり、誰もがリーダー。色んな視点から、その「人」に関わっていきたいと一段と思います。
組織は一人では達成できることには限界がある。人との関わりがあってこそ、何かが起こる。そんな事を深く考えさせられました。
「企業は人なり」なんですよね。

なぜか夢に上司が現れてきたので、意味があるのかもしれないと思い、目的もなくその夢で思い出した言葉を中心に書いてみました。

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